「絶対音感」とは、単独で聞いた音が(他の音との高低の比較なしに)ドレミファソラシの何の音かわかる能力のことです。、これまでは天才とよばれるようなごく一部の人だけが持つ、特別な能力と言われてきました。
耳が聞こえなくなったベートーヴェンがたくさんの曲を作曲できたのも、この「絶対音感」があったからだと言われています。
生理学者のバッチェムの研究によると、絶対音感を持つ人の割合は「プロの音楽家の場合」で約5%。これが一般の人になると20万人にひとり、つまり0.0005%だったそうです。
この極端に少ない割合から、「絶対音感は生まれつきの、特別な才能」という見方をされてきました。しかし、最近の研究によって、絶対音感は訓練によって身につけられることがわかってきました。
ただし、絶対音感を身につけられるのは6歳半ぐらいまでの子供だけです。
「絶対音感」を獲得できる能力は成長に伴い、やがてなくなります。その時期を臨界期と言い、臨界期を過ぎると、たとえどんなに頑張って練習しても「絶対音感」を身につけることはできません。練習を始める時期は2〜3歳が最も良いとされています。
絶対音感があると、一度聴いた曲は楽譜がなくても弾くことができるようになります。曲を暗譜(暗記)することも楽に、また忘れにくくなります。
音大の入試では、聴音(その場で聴いたメロディや和音を楽譜に書とる作業)という科目がありますが、絶対音感があればこの聴音も苦労なくできてしまいます。
何より絶対音感をもっていると、音楽に関する色々な事が楽にできるようになるので、音楽を奏でることが楽しくなります。