おすそ分け


「はらこ飯作ったから持ってくね〜。」


レッスンを終えて自宅に帰ると、友達から一本の電話。
もらったのは はらこ飯だけでなく、山形から取り寄せたという大きな梨と、夕飯のメニューの一通り。

子供の頃、ご近所さんからのおかずのおすそ分けは普通のことでした。
田舎で育ったからそうなのか。そういう時代だったのか。
今は共働きの核家族が増えて、そんなことは珍しいのかもしれません。


OLだった独身の頃、両親が同時期に別々の病院に入院していたことがありました。
その時毎日何を食べていたかというと
隣のおばちゃんが作って持ってきてくれたお夕飯のおすそわけ。
今のようにスーパーにお惣菜などあまりなかった時代。

出勤前と仕事帰りに病院に寄って、家に帰るのは夜の8時ごろ。
毎日ヘトヘトでした。
そんな時に、帰りを待っていたかのように届けられたおかずは、有難くて本当に美味しかった。

いただくということは、物だけでなく、気持ちをいただくということ。

両親がいないことを気遣って、様子を見がてらおかずを持ってきてくれたおばちゃんの気持ちがうれしくて、毎日感謝しながら食べました。


今日のはらこ飯には友達からの気持ちが沢山。
「痩せてるんだから、たくさん食べて」
この前私が入院したのを心配してくれていたのでした。
食べながらじ~ん。
おすそ分けって美味しいなぁ。


因みにはらこ飯とは、鮭を煮た煮汁で炊いたご飯の上に、鮭のほぐし身とイクラを乗せたもの。
宮城県亘理地方に伝わる郷土料理です(^^)