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にっこり笑って

さてさて明日は発表会。

大きい子ほど緊張しているようですね。

 

「緊張すると絶対間違う・・・」「本番絶対間違う・・・」

と言ってた生徒さんがいました。

 

緊張するなと言っても無理な話。

先生だって緊張します。

人前で弾く大変さは私自身が一番よくわかっているので、生徒さん達の不安や心配、押しつぶされそうな気持ち、実はとてもよくわかります。

 

 

さて、「間違わないように弾きたい」というのはみんな同じだと思います。

せっかく練習してきたんだもの。そりゃぁそうですよね。

親の立場で考えても、我が子には「間違わないで弾いてほしい」と思う、その親心もよくわかります。

私自身も先生として「間違わないで弾いてほしい」ってずっと思ってきました。

 

でもね、間違わないで弾くことがそんなに大事だろうか、と最近思うようになってきたのです。

 

間違うって、そんなに悪いことでしょうか。

 

実は、発表会は明日ですが、その8割はすでに終わっているのではないかと思っています。

 

まだ曲らしい曲を弾いたことのない小さな子が、初めて両手で曲を弾きます。


普段は弾かないような難しい曲、長い曲にチャレンジする子がたくさんいます。


なかなか練習時間が取れない中高生が、限られた時間の中追いつめられたように集中して練習しました。

 

それは発表会という目標があったからこそ、できたことなんじゃないのかな。


そのがんばってきた過程、プロセスこそが、教室が発表会を開く目的。


練習はたいしてしなかったけど、本番ひとつも間違わずに弾く発表会と、苦労して頑張って、努力を重ねたけど間違ってしまった発表会だったら、どっちが価値がありますか?


もし間違ったなら、どうしてそうなったか、どうしたらそうならないかを考えて、次に生かせばいい。

そうしたら「間違ったこと」も、失敗ではなく生きた経験になるから。

 


スケートの選手が、何千回、何万回とジャンプの練習をしたって、本番で失敗することもありますね。普段なら転ばないようなところで転んでしまうことさえある。それが緊張。

 

私たちは神様じゃない。だから間違うこともある。

やるだけのことをやったら、それでいい。

おもいっきり、自分のピアノが弾けたらそれでいい。

間違うことなんか心配しないで、堂々と弾きましょう!

 

お家の方は本番の結果だけじゃなくて、過程をみてあげて下さい。


 

「間違わないようにね」

はNGワード。


子どもたちが

「間違うからステージで弾くのはいやだ」

と思うようになってしまうから。

 

どうぞ、にっこり笑って

「がんばったから、きっとうまくいくよ」

って送り出してあげて下さいね。