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短期的な目標

毎日、本当に暑いですね!

夏休みに入り、いかがお過ごしですか?

 

さて、秋以降のピティナ提携コンクールの要綱が、次々と発表になっております。

興味がある人はチャレンジしてみて下さいね。

 

目標がはっきりしていると、練習も楽しくなりますよ。

 

入賞、予選通過、賞状、メダル、トロフィー。

こんな目標は目に見えて分かりやすいですね。

 

同年代の人と切磋琢磨。

入賞に向かって、トロフィーに向かって、一生懸命練習に励む。

そんな姿を見ていると「いいなぁ」と思います。

教える私も応援しながら一緒に夢を見せてもらって。

レッスンが楽しいです。

 

ただね、あまりに結果にこだわりすぎるのは良くないかな。

とも思っております。

 

方向を間違った負けず嫌いは幸せになれないよ。

 

自己顕示欲も度を越えるとちょっとね。

 

勝ち負けでしか物事の価値を判断できないようでは困るしね。

 

 

コンクールは通過点。

長い目で見てくださいね。

 

 

ピアノのレッスンを始めたそもそもの目的はなあに?

 

「ピアノって、楽しそうだな」

「弾けるようになったら楽しいだろうな」

 

だったはず。

 

競争の場だからと言って結果にこだわりすぎると、心が折れてしまうことがあるよ。

頑張った分だけ結果に対する期待も大きし、その反動も大きい。

 

「こんなに頑張ったのに、もうイヤ」

 

なんてならないようにね。

 

 

コンクールはあくまでも、目に見えてわかりやすい短期的な目標。

 

もともとの目的の

「弾けるようになったら楽しいだろうな」

に到達するための、具体的な手段に過ぎないの。

 一番の目的を見失わないでね。

 

 

私も気をつけないといけないなといつも思います。

 

子どもは大人の影響を受けやすい。

大人が結果にこだわると、子どもが結果だけを見るようになる。

 

「コンクールなんだから、優秀賞もらいなさいよ!」

「絶対本選に行けるように頑張りなさい!」

「予選突破しなさいよ」

 

ついつい熱が入りすぎて、応援のつもりでそんな言葉をかけていたら、子どもたちはきっと方向を間違ってしまう。

だから周りの大人は、冷静に客観的に応援しないと。

 

もちろん、成長して大人になれば、結果だけを求められることもきっとある。

でも、今はそうじゃなくていいと思う。

 

 

今週金曜にね、秋田でピティナコンペティションの地区大会があって、教室からたった一人、参加する生徒さんがいるんです。

八木先生の生徒さん。

 

彼女は3月の課題曲発表から5か月間、本当に本当に頑張っていました。

ゴールデンウィーク前あたりからは、土曜や日曜、祝日、ずっと教室のピアノをレンタルして練習していました。

一回来たら2~3時間。

本当によく頑張るなぁと思って見ていました。

もちろん家でも同じように練習しています。

 

それだけ頑張ったのに、1回目の地区予選では入賞を逃しました。

頑張った分、どれだけ心が折れそうになったかと思います。

 

そんな時、お父さんは

「何事も経験」

とおっしゃって、支えてくださった。

 

優しいお母さんが、はらはらしながら見守ってくださった。

 

気持を立て直して、2度目の地区予選。

 

1度目の反省をもとに、落ち着いて弾くことができて、無事予選を通過。

 

彼女はこの時、他の人が経験することのできない貴重な経験をしたんだと思います。

これ以上頑張れないくらい頑張ったからこその大きな挫折と、そこから抜け出る心の強さ。

すごいですよね。小学生にして、です。

 

そして今、彼女は地区本選に向けて最後の追い込み中。

 

夏休みに入ってからも、毎日のように教室に来て練習しています。

コンクールという具体的な目標があるからきっと頑張れるんでしょうね。

 

 

彼女のピアノは、5か月前とはまるで違うピアノになりました。

よく動く指。

音もクリアで良くなりました。

粗削りだった演奏も、角が取れてきました。

 

もう、応援せずにはいられないですね。

ずーっと頑張ってきた姿を見ているのでね。

オリンピックの選手を応援するようなそんな気持ちです。

 

 

この5か月間、どれだけ貴重なものを彼女は手に入れたんだろうかと思います。

物事に真正面から向き合うこと

途中であきらめないこと

継続して頑張る力

本番の緊張をコントロールする精神力

ピアノを弾く力はもとより、ピアノが好きという気持ち

トロフィーより、ずっと価値あるもののように私には思えます。

 

八木先生も私も、今は彼女が

自分の持つ力、今まで頑張ってきたことを、本番で全部出せるといいなと、それだけ祈っています。

 

 あ、だいぶ話がそれましたかね。

 

ということで、コンクールは、通過点にしか過ぎないということ。

あくまでも短期的な目標ですよ。

お父さん、お母さん、結果にこだわり過ぎず、冷静に応援してあげてくださいね。

主役は子どもです。

 

そして、コンクールだからこそ得られる貴重な経験もあります。

良かったら挑戦してみてね。

ワンステージずつを丁寧にクリアしていったら、もっとピアノが好きになると思うよ。

 

 

*ピティナコンペティションは難易度の高いコンクールです。

そもそもの課題曲が難しいうえに、予選本選合わせて4曲用意しないといけません。

だから小学校高学年ともなれば、ある程度長時間の練習時間が必要になってきます。


でも秋以降のコンクールは、レベルも、難易度高めとやさしめの二つのレベルが設定されていて、受けやすいコンクールです。

練習時間がとりにくい人も受けやすいコンクールになっていますのでね。

是非チャレンジしてみてね!

応援してますよ!